スタッフお話の部屋

♪音楽セッションにて

 週に1度、外部施設にて大人のご利用者対象の集団音楽セッションを行っています。

そこでの関わりで最近印象に残ったことをお話しします。

 赤色にとても執着・こだわっているÅさん。セッションに使う道具を並べていると「赤色の道具」をチェックに私の傍に来られます。

セッションの中でハンドベルを鳴らし、音楽と音合わせを楽しむ活動があります。「赤色」も含め、8色のハンドベルを4人の方に2音ずつ割り振り、仲間の前に出て音楽に合わせ演奏します。Aさんはどちらかというと人前に出る活動には積極的では無いのですが、施設職員の方に「ほら!赤色ハンドベル」と赤色に促され、前に出て来られています。

ある日、3人の方しか前に並ばず、たまたまふらふら~と前に来られたAさんに余っていた「赤色」ではない2色のベルを手渡し「一緒に演奏しよう」とお誘いしました。「え!(赤色ではないのに!!)」という驚いた表情で私を見ていましたが、私がキーボードを弾き始め音楽が始まると逃げ出すことなく、リズムに乗っていました。職員の方々からも「赤以外」で参加している!!と笑顔。Aさんも赤色でなかったことに、気持ちを崩すことなくセッションを最後まで参加しました。

こだわりや背景にあるものを認めつつ、そうではなくてもできたねということ、本人と共に享受する経験は大切と改めて感じる出来事でした。


(文責:神谷真理子   事務・児童指導員 担当)

♪ 子どもたちの感性の広がり

 

新緑の生い茂る季節、風の音や草の匂いで感覚が刺激されワクワクしてきます。

 幼少期、自然豊かな環境で育った私は今でも公園などに行くと草原へ目を凝らし虫探し

をしてしまいます。 


 以前、集団クラスで虫の観察にカブト虫や鈴虫を用意した事がありました。

しかし殆どの子が触れず虫かごを振るなど扱いを知らない子が多い事に驚きました。

それでも子ども達の様子から興味を持っていると感じ、少しずつ距離を縮めると

帰る頃には殆どの子が触れるようになっていました。 


 近年、異常気象で四季のメリハリが薄れてきていますが自然体験や伝統行事、

旬の物に触れて食すなど、子ども達の感性を育てていけたらと思います。

 (文責:三木理恵子  個別療育・SST・面談担当)

♪リトミック♪

 子どもたちの発達を促す手段の1つとして、私はレッスンの中でリトミックを使っています。リトミックは音楽的な要素だけではなく、社会生活の中でとても大切な要素がたくさん含まれています。

 今日はリトミックについて説明をしていきたいと思います。

 音楽に合わせて体を動かしながら、体の様々な部位を使うことで身体の成長に働きかけます。

 また、音を聞いてどんな動きをすればよいか考え「即時反応」する力を促します。生活の中で、指示を聞き、考えて行動することに繋がっていきます。

 リトミックには手と足がそれぞれ違う動きをするなど、1度に体の部位が違う動きをする「協応運動」がたくさんあります。生活の中でもたくさんの協力運動があります。字を書く、はさみを使う。縄跳びをしたり、ボールを投げたり、お箸を使うことも協応運動の1つです。

 リトミックを通して、生活の中で苦手なことが少しでも改善されるよう、お子様の苦手なことでも、楽しく取り組みながら、苦手さを少しでも改善していけるようにお子さんと関わっていきたいと思っています。

文責:二村理佳(個別療育・訪問支援・認定支援資格取得講師)

ある日の出来事

 長さ15cmの薄い『魔法の板』を使って造作遊びが楽しめる『カプラブロック』。今日もA君は、夢中になって、独創的な建造物を作り上げます。

 立派な五重塔の完成です。

 『隠し部屋の中には宝石も入ってるんだよ』と楽しい工夫をみんなに見せてくれます。

 『お母さんが来たらみてもらうからこのままにしといて』とその場を離れた瞬間バラバラバラーと大きな音。

 『あ!!』

 床一面に崩れたカプラが散乱しています。近くにいたB君の手があたったのです。

B君『ごめんね』

A君『…いいよ.…いいけど出来んと思うけど同じもの作ってよ!!』

その時小学生のお姉さん2人が

『じゃあ作ってあげる、私たちが作ってあげる』

散乱したカプラがどんどん形になっていき、みんなの気持ちも表情も明るくなってきました。

子どもたちが集まればいろんな事が起こります。その時にみんなで考えるそんなとても素敵な場面でした。

子どもたちの力、とても大きくて頼もしいです。 

文責:北河京子(個別療育・集団療育・児童発達支援)


 発達障害を持つ子どもたちの青年期の躓きが、以前より深刻になってきています。もちろん、クローズアップのされ方、報道のあり方の問題もありますが、何かあれば、「発達障害」と結びつける傾向であることは確かです。しかし、言葉が少し乱暴になりますが、誤解を恐れずに言えば、たとえ、発達障害を持つ子どもたちであっても、乳幼児期に愛し愛される環境で育った子たちに、社会的規範を逸脱するような行為を起こしたことを見たことがありません。

 子育ての基本は、どの子どもも同じことなのです。子どものありのままを認め、成績では評価されないような、子どもの笑顔やしぐさを愛おしく思い育てること。子どもが育つ初期の大切さを多くの方が認識して次世代を健全に育てていってほしいと日々願ってやみません。

 そして、たとえ障害を持っていたとしても、どの子もみな「逞しく、明るく元気に、自分の人生を歩んでいってほしい」と思っています。私は、そんな応援をしていけるサポーターであり続けたいと思っています。 


文責:池田信子(個別療育・訪問支援)

早寝・早起き・朝ごはん

 昔から子育てで大事な事のひとつとして「早寝・早起き・朝ごはん」と言われてきました。平成18年からは国民運動としてもスタートしています。漠然と大切だよねと思っていたことが、脳科学でその重要性が立証されています。

 なぜ成長期の子どもにとって朝ごはんが大事なのか。それは、朝食は子どもたちの脳の発達そのものに大きく影響するうえ、学力や心の働きだけでなく、将来的な幸福度にも大きくかかわってくるという研究結果がでています。そして、その内容はパンよりも米が脳に良いことも証明されているのです。

 そして、睡眠。十分な睡眠が脳にとって重要なのです。8時間前後の睡眠時間がある子どもは認知機能が高いという結果が出ています。あの大谷翔平選手は毎日10時間の睡眠時間を確保しているそうです。

 このように、「早寝・早起き・朝ごはん」が子どもを賢く(学力ばかりでなく人として生きていく上での賢さ)・たくましく育てるうえで大事なポイントと言えますね。

                                                             文責 山内博子(児童発達管理・支援管理責任者)